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徒然草気まま読み#93
「慢心を戒める」
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今回扱うのは、第百六十七段。
一部を紹介すると…
人としては、善にほこらず、物と爭はざるを徳とす。他に勝る事のあるは、大きなる失なり。品の高さにても、才藝のすぐれたるにても、先祖の譽にても、人にまされりと思へる人は、たとひ詞に出でてこそいはねども、内心に若干(そこばく)の科(とが)あり。謹みてこれを忘るべし。をこにも見え、人にも言ひ消たれ、禍ひをも招くは、たゞこの慢心なり。
いかにも兼好らしいというか、聞いて思わず「えっ?」と
言いたくなるような、変わったことを言っている。
「他人よりも優れたものがあることは、大きな欠点である」というのだ。
兼好独特の、逆説的な話なのだが、さてその真意は?